大きな忘れ物

「大きな忘れ物がありました。お客様は30代くらいの女性で…」

タクシーの車内に無線の声が流れた。
「『大きな忘れ物』ってのは犯罪があったってことらしいね」
後部座席の男は言った。
「お客様、良くご存知ですね」
バックミラー越しに運転手は男に視線を送った。答えるでもなく男は手元のスマートフォンを見ている。銀座のデパートで展示中だった世界的に有名なチェロが盗まれた、そんなニュースを読んでいるところに新着通知が表示された。
「運転手さん、悪いけど羽田空港に行く途中に有明に寄ってくれないかな。知り合いを一人拾いたいんだ」
「はい、もちろんです」
そう言って運転手はハンドルを切った。

男が指定したマンションの正面には女が一人立っていた。エントランスからの光が逆光になって顔は良く見えないが、横に大きなスーツケースが置かれている。タクシーが止まり、男が一度降りようとすると、運転手は意外なことを口にした。
「お客様、大変申し訳ありませんが、羽田空港までお送りすることはできなくなりました。もちろん、ここまでの料金は結構です。ご迷惑をおかけして申し訳ありません」

こうしてタクシーは男女を残して走り去った。さて、この後で運転手がしたことはなんだっただろう?
22年12月30日 01:34 [あーぱ]

再挑戦です。できれば問題文だけで考えてみていただけると嬉しいです。

この謎解きに挑戦しよう!
プレイするにはユーザー登録が必要です。3つの項目を入れるだけ!メアドいらずに数秒で登録できます。
チュートリアル問題でどんなゲームか知ろう。