シュレーディンガーの彼女

春からの大学生活に向けて念願の一人暮らしが始まった
だけど一つだけ困ったことが起きた
その、なんというか、とても言いにくい話なんだけど…
夜になると隣の部屋から男女の絡み合う、艶めかしい声が薄っすらと聞こえてくる
そんな夜があるんだよね…
大学生向けの格安賃貸だから多少の音漏れは仕方ないんだろうけど…
色恋沙汰に縁のない僕にとっては正直羨ましい
一度女の人が隣の部屋に入っていくのを見たんだけど、ギターを背負ってる姿がなんだか可愛かった
その時に挨拶くらいちゃんとしとくべきだったんだろうけど、緊張して声が出なかったんだ…

それは新生活開始から一週間ぐらい経ったある日の事だった。

今夜はやけに隣が騒がしい
というのも男女の争うような声が時折聞こえてくるんだ
少し心配になった僕はいつもより意識を隣の部屋に向けた

すると

「もうやめて!!!!!!誰か助けて!!!!!」

隣の部屋から女の人の叫び声が聴こえた
それと同時に食器の割れるような音も
まさか…嫌な予感がした
とっさに僕は部屋を飛び出し隣の部屋に向かった
インターホンを押し、扉に向かって
「隣の者ですけどー…大丈夫ですか…?」
少しして扉が開かれた
彼女は涙で目を赤く腫らしていた
足も少し震えている
彼女を守らなくては
本能的にそう思った
「もう大丈夫です!!と、とりあえず逃げましょう!!!」
部屋の外に連れ出そうと、思わず彼女の手を握った
そのとき、ワンルームの部屋の中を見てしまった



その部屋には、誰もいなかった
19年06月03日 07:23 [たろう]

ほんの少しだけR指定的描写があるので苦手な方はご遠慮ください。めっちゃ長文ですが、どうぞお手柔らかにお願いします…m(_ _)m

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